失恋内服薬

大人のオンナが心の傷を癒していくには?

百田尚樹・続き読み

 気に入った作品があると、その作者の他の作品も読みたくなる。そこで、

 

モンスター (幻冬舎文庫)

モンスター (幻冬舎文庫)

 

 と、

 

プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)

 

 を読んでみた。私ごときが、まだ3冊しか読んでないのにこんなことを書くのは何だけど…、ちょっと残念な気がした。

 『 モンスター』は、主人公の女の一途さに引っ張られて一気に読めるが、女の毒を描かせたら、桐野夏生にはかなわないのではないかと思う。特に『 グロテスク』とは、美貌の女が売春婦をするという設定がかぶっていて、読みながらどうしても比較してしまった。女の毒は女性作家にしか描けまい。読後感も『 モンスター』はホッとするけど、『 グロテスク』は脳髄に寒気の余韻が残り、しばらく後までじわじわと気持ちの悪さが続く…といった具合で、同じ女なら、自分にもそういう一面があるのではないか?と、ミスコンで優勝し、雑誌にも載り、女優の真似事までしていた美貌の従姉との少女の頃の交流の底にありそうなドロリとしたものを探して、心のどぶさらいをしてしまう…といった具合だった。

 

 『 プリズム』では、多重人格者が簡単に統合されてしまって、こんな生易しいモノじゃないはず~!と思った。参考文献にも挙げられていた『 25人のビリー・ミリガン』や『 5番目のサリー』の圧倒的な迫力には、到底及ばない。

 

 読書仲間の好々爺には、

「 通勤途中で読むには、いいですね。文章がちゃんとしていて読みやすいです。読者が面白い!と、思うツボを心得ていて安心して読めます。」と、言って渡した。彼は

「 そうでしょう!今の所、近いから、10分くらいしか読めないし。あんまし難しいと話を思い出すのに、そのくらいかかっちゃうんだよね~」と。それから、落語家の漫談のように話しは続いた。

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