見知らぬ明日
夏休みもあとわずか。図書館に予約した『 マンチュリアン・リポート』はおそらく間に合わないだろう。仕方ない、代わりに…と手に取ったのは、懐かしいグイン・サーガ。
要は、夢中になって、現実から逃避できるような、大河ものを求めていたのよね。
パロの出奔した王子にして、吟遊詩人のマリウスと、女剣士オクタヴィアが恋仲になって、彼女がケイロニアの皇女だった…辺りまでは読んだ記憶がある。グインがケイロニアに溶け込んで出世し、可哀想なくらいおバカな皇女シルヴィアを探しに旅立つ顛末も、なんとなく記憶にある。外伝を読んでいれば、結局探し出して、ケイロニアの皇帝になるのも知ってるし!
でも、その後のパロの宮廷の中だるみのような地味なやり取りと、原稿料稼ぎかとも勘ぐりたくなるような、台本のような、台詞の続く紙面にうんざりして、読まなくなってしまったのだった。
栗本薫が癌で他界したのも知っていた。彼女の本は、十代の頃に本当によく読んだ。『 真夜中の天使』とかも、結構、好きだった。
図書館で128巻から~と最後の外伝を手に取った。グインサーガの世界を描ききる前に、作者の寿命が尽きてしまうなんて、あの頃、誰が想像しただろう。神様は意地悪だ。
イシュトバーンの子はどんな風に成長するんだ?グインだって子どもができていたはず。彼らの二世たちは、中原をどんなふうに導いていくのか?キタイからの侵攻は防げるのか?古代文明の秘密は?で、結局グインの正体は?
そういう読者の疑問に答えるようなタイトルは、編集者がつけたのか。。。
昔は吟遊詩人のマリウスと、イシュトバーンが好きだったな。アムネリスとか、リギアに親近感が湧いたっけ。今選ぶならカメロンかヴァレリウスだな。親近感湧くのは、地味なまじない師かも。年を取ると、人物の好みが変わるのがおもしろいなぁ!
私の明日はどんなだろう。好みの人が隣にいてくれるようになるだろうか( 笑)