失恋内服薬

大人のオンナが心の傷を癒していくには?

年の瀬のおしゃべり

 年賀状も投函し終って、夕食も明日の料理の仕込みもちゃっちゃっと簡単にすんで、ぼんやりと何をするでもなく紅白を見ている。時折、息子が部屋から出てきて雑談をしていく。それは歌手の文句だったり、好きな音楽の話だったり、小さい頃の思い出話だったり、取り留めない話しだが、高校生にもなると会話のキャッチボールがおもしろい。

 今日は、年末の買い物客があふれる街で、ばったり前のお向かいさんに出会った。見覚えのある少年の顔がふっと目に入ったと思ったら、それは息子と保育園の頃から一緒だったシュウ君だったのだ。

 私たち母子3人は、正気が歪んで強迫性パーソナリティもどきでDVっぽくなっていった夫から逃れて、その界隈では最も広い敷地の二世帯住宅から、黙って勝手に引っ越してしまったのだ。かれこれ4年前のこと。

 そんな辺りの雑談とか、子どもの高校のこととか、ひとしきり喋って「 知ってるでしょ、私もバツイチだし。今が良ければそれでいいのよ」と。保育園ママとして知り合った頃は、子どもを3人抱えるシングルマザーだったが、ドクターと結婚してお向かいの豪邸に越してきた彼女は言った。

 そうそう。その通り。

 帰宅途中で、行きつけの洋服屋さんのロゴ入りの車が、踏切待ちで止まっていた。運転していたのは、ママさんだったので、思いっきり手を振って挨拶をすると、窓が開いて「 風邪はどう?大丈夫?」と、土曜日にマスクして行ったことを覚えていてくれた。

 夕方、調子に乗って、子育ての戦友ともいえる旧友に電話をして、一時間以上も喋ってしまった。

 咳とだるさだけが続く、しょうもない風邪を言い訳に、だらだらしているだけの何事もない年の瀬だけど、身近に気の置けない人がちゃんといて、心穏やかに過ごせることは良いことだなぁ、と顧みて思う。ほぼ幸せってことかな。

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写真:こんな気分の大晦日。